Q1. 現物を買うのと、建玉を持つのは何が違う?
自己資金だけで現物を買う場合は、代金を払い、暗号資産を保有します。一方、ここで扱うレバレッジ取引は証拠金を預け、価格差による損益を受け渡す取引です。決済していない取引の持ち高を「建玉」と呼びます。入金した10万円と、値動きの対象となる取引額20万円は別の数字です。
必要証拠金は建玉を持つために求められる額、純資産は預託資産に評価損益などを反映した額です。必要証拠金を用意できたことは、その金額だけ失えば終わるという意味ではありません。貸付で資金を調達して現物を買うケースは、この比較の前提から外します。
Q2. 同じ10%の下落なら、損失も同じ?
架空の例で比べます。10万円分の現物を買い、価格が10%下がれば評価額は9万円、損失は1万円です。証拠金10万円で20万円分の買い建玉を持った場合、同じ下落による損失は2万円。証拠金に対しては20%の損失となり、費用を除く純資産は8万円です。
これは値動きと取引額の関係だけを取り出した計算です。実際には手数料、建玉を翌日に持ち越す際の費用や受払い、価格差などがあり、途中で強制決済される場合もあります。「10%下がるまでは必ず保有できる」という例ではありません。買い建玉は下落で損失、売り建玉は上昇で損失になる点も区別します。
Q3. ロスカットは、なぜ損失を止めきれない?
ロスカットは、事業者が定める条件に達したとき、建玉を強制決済して損失拡大を抑えようとする仕組みです。条件を判定した瞬間の価格で、必ず取引できるわけではありません。判定、注文処理、実際の約定には段階があり、その間にも相場は動きます。
急な価格変動で次の取引価格が大きく離れたり、相手となる注文が少なかったりすると、想定より不利な価格で決済されることがあります。SBI VCトレードの説明も、判定時ではなく執行時点の同社レートを使い、急変時には乖離し得るとしています。GMOコインのリスク説明には証拠金額を超える損失の可能性が明記されています。
Q4. 強制決済されたら、追加の支払いはなくなる?
なくなるとは限りません。決済損失や費用を差し引いた結果、口座に不足金が残れば、契約に応じた支払いが必要になります。例えば証拠金10万円に対して最終損失が12万円なら、差額は2万円です。これは不足金の算術を示す架空例で、特定の値動きやロスカット条件を再現していません。
「追加証拠金」と「決済後の不足金」も別です。前者は建玉を維持する途中で求められる資金、後者は決済等の結果として残る支払不足です。通知を見落とした場合や期限までに対応しない場合の扱いも、事前に取引説明書で確かめます。
Q5. 申し込む前に、どの条件を読む?
確認する順番は、取引額と証拠金、維持率の計算式、ロスカットの基準と判定頻度、決済の順序、費用、不足金の支払条件です。同じ会社に置いた現物が担保評価に含まれるか、現物も売却対象になるかまで読みます。他社の維持率や強制決済の基準を、そのまま当てはめないでください。
自己資金の現物には、通常この建玉の維持率による強制決済はありませんが、価格下落や保管先の問題は残ります。「現物なら安全」と結論づけず、失って困る資金を投入しないこと、仕組みと最大の負担を説明できない取引を始めないことが出発点です。
確認した公式資料
- GMOコイン:リスク説明:暗号資産の価格変動、証拠金額を超える損失(2026年10月13日確認)
- SBI VCトレード:レバレッジ取引:ロスカットルール、判定と執行レート、追加証拠金(2026年10月13日確認)
次に読む
- 販売所と取引所の違い:現物購入時の支出を確認
- 投資と投機の違い:買う理由と出口を整理